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2025年10月22日

Good On People Vol.10 野村重幸(Good On – Sales)

  • Special Feature / 特集
  • Good On People / グッドオンピープル

ブランド誕生から28年。

長い歴史の中でGood Onと深く関わるキーパーソンたちは、どのような人生を“経年変化”させてきたのか。その人物とGood Onとの繋がりを読み解く連載企画Good On People。

第10回のゲストは、国内外のセールスを担当している野村さん。カナダ・トロントへの留学の経験もあり、海外にGood Onを広めた立役者でもあります。

そもそもセールスは、セレクトショップなどに自社の商品を売り込む仕事のこと。シーズンごとに開催される展示会でのバイヤーとの取引、新規の販売先の開拓など、Good Onのアイテムをさらに広めるためにさまざまな役割を担っています。

そんなセールスを15年ほど手がけている野村さんのGood Onとの出会い、どのようにして海外に広まっていったのか。そして今後の展望などを聞いてきました。

#10_野村重幸 Good On Sales


Q_まずは、野村さんのキャリアのスタートとGood Onで働くことになったきっかけを教えてください。

ファッション系の専門学校を卒業後に勤めた某人気セレクトショップの販売員が、私のキャリアのスタートです。3年ほど務めた後、ワーキング・ホリデー制度を利用してカナダ・トロントへ。

トロントを選んだのは、大好きなアメリカに近いから(笑)。なんと当時は、深夜バスを使うと片道1〜3ドルでニューヨークまで行けたんですよね。最初の3ヶ月は語学学校に通って、その後は古着屋とカフェのキッチンで働きながら英語を学びました。ニューヨークも気軽に行けるトロントでの生活がすごく楽しくてビザも延長したほど(笑)。

帰国後は昔から好きだったブランドのデザイナーのアシスタントを経て、Good Onのセールスに。そもそもGood Onは昔から知っていて、高校時代に原宿の古着屋さんでTシャツを買ったことがあるんです。ロゴも覚えていたので、求人で見たときは迷わず応募しました。それが今から15年前の2010年になります。

Q_Good Onはフランスを中心にヨーロッパで人気のイメージがあります。海外での取り扱いがスタートもフランスになるのですか?

海外でのスタートは、おそらく香港だったと思います。2013年にインスタグラムのDMに連絡がきて取引をするようになりました。

その後に台湾や韓国、中国からも問い合わせがあったり、初めはアジアばかりだったんです。同じアジアとはいえ、海外のディーラーさんとのやりとりも初めてだったので、ずっと半信半疑でした。会ったこともなかったですしね。

長年のパートナーである香港のセレクトショップ「SIMPLE LEGEND SHOP」。

でも何回か商品を送っていたら、特に台湾でのリアクションがよく、すごく数字も伸びていったんです。そうなるとだんだんと興味が湧いてきたので、ショップの写真を送ってもらいました。そしたら想像以上におしゃれでこだわりのあるショップで。「これは一度訪れなくては! 」と代表と共に、台湾と香港に伺うことに。

Good Onを取り扱っている中国のセレクトショップ「36otu」。

それがGood On Peopleにも登場してくれた台湾のEric Chenさんと香港のBrian Yeungさんです。
実際に会ってみたらやっぱりセンスがよく、こんな素敵な人たちがGood Onを売ってくれていることに感銘を受けました。
その後、韓国や中国でも一緒にブランドを伸ばしていけるパートナーが見つかり、アジア全体にGood Onが広がっていったんです。

韓国でGood Onを取り扱う「SUPPLY ROUTE」のみなさんと。

ちなみにEricさんは、台湾におけるGood OnのディストリビューターとしてGood On Taiwanの運営も担うように。現在は台湾でも展示会を開催しているので定期的に訪れるようになり、ますますEricさんとの仲も深まっています。

台湾でGood Onを取り扱う「A ROOM MODEL」で「Good On Taiwan」のみなさんと。
Ericさんが運営する台湾のショップ「A ROOM MODEL」。


Q_恵比寿のフラッグシップショップに伺うと、かなりの確率でフランスの方に遭遇します。ヨーロッパではやはりフランスでの人気が高いのでしょうか? また広まるきっかけも知りたいです。

ここまでGood Onがヨーロッパで広がるとは、私たちも思っていませんでした。そのきっかけとなったのが、パリにあるショップ【Royal Cheese】です。

数年前からの付き合いになるのですが、実はそれ以前に商品を入れたことがあったらしいんです。私が入社する前なので20年くらい前になるでしょうか。

それ以降に連絡を取ることはなかったそうですが、いきなり「今でもベーシックなTシャツを作っているなら、もう1回仕入れたい」と連絡があって。【Royal Cheese】もGood Onと同じ年くらい長くやっているショップで、カジュアルカテゴリーではかなりの有名店。パリで何店舗もあって、ベーシックなアイテムやヘリテージなブランドを扱っているんです。

フランスの「Royal Cheese」のみなさんも、Good Onを愛用してくれています。

Q_いくら【Royal Cheese】が有名店でも、ここまでヨーロッパに広がるには難しい気がします。他に要因はあるのでしょうか?

さすが、鋭いですね(笑)。【Royal Cheese】はCatherine Yousfiさんという女性がオーナーなのですが、ご主人がパリでショールームを運営しているんです。

そのショールームはレッドウィングなどの世界各国のブランドのエージェント(代理店)も務めていて、そこで取り扱ってもらうようになってフランス全土、さらにはイタリアやデンマークなどにも広がっていきました。

ちなみに【Royal Cheese】より先にレンヌという都市のショップと取引がありましたが、そちらのオーナーもショールームのご主人と繋がっていたんです。パリでエージェントを探しているなら、このショールームがオススメとも聞いていたので、安心してお願いできたのもあります。

実はパリから問い合わせがあったとき、ショールームでも扱える可能性が高いと言われていました。すごく光栄なことですが、その時点でのフランスでの知名度はほぼない状態。まずはショップで実績を積むのが大切だと思ったので、【Royal Cheese】で扱ってもらうようになりました。

そしたらフランスの方たちに受け入れられ、売れに売れたんですよね。改めて「自分たちのお客さん(バイヤー)にもGood OnのTシャツを紹介したい」と言われて、ショールームに置いていただくことになりました。

フランスのエージェント「LINKSURY」のショールーム。

Q_なるほど、それからヨーロッパでの快進撃が始まったんですね。ズバリ、フランスでGood OnのTシャツが受け入られた要因はどんなところだと思いますか?

それをショールームに聞いたことがあるんですが、フランスではこういったTシャツがなかったというがまず一つあるらしいんですよね。

アメリカのコットンを使っていて、ピグメント染めで強くしっかりとしたTシャツで日本製。さらにカラバリの豊富さなど、Good Onのこだわりが全て刺さっていると感じます。

また、フランスはモノを大切にする文化で、洋服もしょっちゅう買いません。気に入ったモノを長く大切に着ています。それは私たちの思想ともリンクしていて、そういった面もハマったのではないかと考えています。

あと、パリの人気セレクトショップ【Merci】で取り扱っているのも大きいです。世界中の誰もが知っている、パリに訪れたら必ず立ち寄る有名店でもあるので。実際に【Merci】で見たという方からの問い合わせが世界中からきています。つい最近も北米のショップから連絡があったり、あまりの反響の大きさに驚いています。

Q_さすが【Merci】という感じですが、あんな感度の高い人気セレクトショップに何年もTシャツを置いてもらえているのもすごいです。ちなみに他のアイテムも取り扱っているのですか?

実は海外は、基本的にクルーTしか入れていないんです。定番だけでもすごい数のアイテムがありますが、広く売ることはどうしてもしたくなくて。

最近は少しずつアイテムも広げていますが、まずはGood OnがTシャツブランドであることを認知していただきたいので、最初の何年かは代名詞であるクルーTのみの展開にしてもらうようにしています。

これには意図があって、クルーTに絞っていると1シーズンでどれだけ売れたかわかりやすいじゃないですか。例えばシーズンで100枚以上も売れたら、ショップにとって欠かせない存在になりますよね。これは通年でクリーTを展開しているからこそなせる技で、リピーターも獲得しながら長く売ることができるんです。



Q_クルーTしか扱っていないのは驚きましたが、Good Onを広めるためにはすごくキャッチーなアイテムですよね。最後に、野村さんの今後の展望を教えてください。

昨年くらいにパリのショールームがコペンハーゲンのショールームを紹介してくれて、アイスランドやノルウェーといった北欧でのお取り扱いも増えています。コペンハーゲンも業界歴が長く、パリやGood On同様に厳しい時代も乗り越えてきた人たち。みんな長く商売することを大切にしていて、自分の市場でこのブランドを育てていくというマインドを持っているんです。

それはまさに私たちが求めていること。クルーTを長く愛用してほしいですし、ショップでも定番として長く取り扱ってほしい。それを実現できているのは、本当に素晴らしい方たちと出会えて繋がることができたから。本当にありがたいですよね。

そして私のミッションは、昔と変わらずクルーTを世界中に広げることです。今後は北米との縁も繋がりそうなので、ぜひ世界制覇を目指したいですね!

野村さんの海外出張レポートや、海外のディーラーインタビューなど、Good On Internationalにて多数の記事を公開していますので、こちらも合わせてご覧ください!

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