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2022年10月11日

2022 FW新色「コヨーテ」。その誕生の裏にGood Onの「反応染め」の底力を見た!

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今回は、2022年秋冬の新色「コヨーテ」についてのお話しです。
 
私達がなぜ今シーズンの新色にGood Onの代名詞ともなっている顔料染め(Pigment dye)ではなく、あえて反応染め(Reactive dye)を選択し、この色を製作することにしたのか。そもそもGood Onのカラーはどのように企画されて商品化されているのか、その辺りのお話を本来はもう少し早くお伝えしたかったんですが、今シーズンもコロナ禍や生産背景を取り巻く情勢変化の影響で商品のリリースに大幅に遅延が生じてしまっているため、この記事を公開するタイミングを見計らっておりました。
 
新色開発の裏側や私達のこだわりについて少しだけでも知っていただけると、今後のGood On Lifeも更に深く楽しいものになるのではないかと思いますので、ちょっと長めですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。

遡ることちょうど一年前、2021年10月に、「2022 Fall Winter カラーバリエーション策定会議」が開かれました。
 
市場のトレンドやこれまでの販売実績などのデータはもちろん、単純に自分が着たい色や気になる色など、様々な要素を踏まえたアイデアを持ち寄り、話し合います。
 
一年後の世の中や気分、お店に並んだ時の見映えも想像しつつ、しっかりと量産し安定供給することが可能かどうか、生産管理担当者や染色職人さんとも擦り合わせを行いながら決定していくんです。

いくつもの候補が提案された話し合いの中で満場一致で決定したのが「コヨーテ」カラーでした。
 
「コヨーテ」と聞いてピンと来る方も多いかもしれませんが、イメージはミリタリーのウェアやバッグに展開されている、あの色です。
ベルクロやベルト、付属品までワンカラーで統一して作られたミリタリーギアの「コヨーテ」。
CORDURA®、Teflon™、ナイロンなどの機能素材を贅沢に使用して作られているミリタリーギア特有のマットな質感と落ち着いた光沢感の共存した「コヨーテ」。
1980年代後半から米軍で採用されているECWCSのような、アースカラーでありながらどこか都会的で高級感を感じる、あのナチュラルカラーをコットン100%のカットソーで表現したい。
 
完成を想像して胸が高鳴りました。

出典:https://www.waiper.co.jp/

近年はアウトドアシーンでも人気が高まっていて、ウェアやギアなど多くのメーカーが「コヨーテ」カラーを展開し、SNSではオールコヨーテでコーディネートしたキャンプスタイルなんて投稿も賑わっている模様。

それならばTシャツやスウェットも作らないわけにはいかないでしょう!と意気込んでサンプル制作に取り掛かりました。

前述の通り課題となったのは、ミリタリーギアのような化繊素材特有の「マットさ」と「光沢感」、高級感のある「ツヤ感」といったニュアンスを、コットン100%の製品染めでどう表現するか。
 
そこで選択したのが、生地の成分に直接化学反応をさせて染色することで均一かつ綺麗な発色を出すことのできる、Good Onの製品染めの原点でもある反応染め(Reactive dye)でした。
反応染めならば、製品全体をムラ無くワンカラーに染め上げることができ、USAコットンならではのサラッとしつつ微細な起毛感のある表面は適度に光沢感を持つのです。
 
さらに、柔らかな生地本来の質感や風合いを残したまま染め上がるので、着心地と肌触りは顔料染めよりも優れていて、インナー使いする際にもこちらの方が最適なんです。

職人さんに依頼し、絶妙な色味を表現するために何度もサンプル染色をしてもらいながら試行錯誤を繰り返しました。

何度も染色工場へ足を運び、微調整を繰り返してもらい、そうしてようやく出来上りました。
 
今シーズンの新色「コヨーテ」。
この色、いかがでしょうか。
 
すごく良いと思いませんか?

各商品のサンプルが染め上がってきたら、実際に店頭に色々な形で並べてみてその見栄えをチェック。

ディーラーのバイヤーさんやお店のスタッフさん達にも店頭に並んだ時のイメージが伝わるようにビジュアルを作成して配信しています。

 

実物はその肌触りや質感も込みでもっとカッコ良く見えると思うのですが、反応染めでしか作れない「コヨーテ」のニュアンスは写真からも伝わってきますよね。
 
ナチュラルなアースカラーでありながら、ヘビーデューティーな雰囲気と綺麗めな高級感も漂う、大変満足のいく仕上がりになりました。
様々なスタイルに着回しやすく、コーディネートしやすそう。

色褪せの経年変化を楽しむ顔料染めとは違い、素材本来の良さを実感しながら長年愛用し続けても変わらない色合いを安心して楽しみ続けることができる。そんな反応染めの魅力も改めて認識することができる今シーズンの新色「コヨーテ」。
 
昨今、顔料染めに人気を押され気味の反応染めですが、この新色は反応染めでなければ作り得なかったのです。

カラバリに「コヨーテ」を含むいくつかの商品は既に順次発売されていて、ありがたいことに非常に好評をいただいています!
ですが生産数には限りがありますので、この記事を読んで気になった方はぜひお早めに!
この冬のワードローブに加えてやってください♪


Photo & Text: Yosuke Niwa(Good On)

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