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2021年11月22日

光電子Ⓡって何??開発した高機能素材メーカーさんに直接聞いてみた!

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人体から出る遠赤外線を活用し快適な保温効果を発揮する光電子Ⓡ繊維と、Good Onの代表的なTシャツ生地である5.5オンスジャージの特徴を生かして製作された「POKA POKA TEE JACKET」「POKA POKA TEE VEST」「PADDED CARDIGAN」。

その機能性と快適性がじわじわと人気を集め、Good Onの冬の定番シリーズとして定着してきましたが、光電子Ⓡと聞いてもピンとこないという方も多いかもしれません。

今回は、今期で3年目となるこのコラボレーションのパートナー、光電子Ⓡを開発した株式会社ファーベストの福谷さんと大島さんにお話を伺ってきました。

オーセンティックなアメカジをベースにしたシンプルなデザインや味のある造り込みを得意とするGood Onのイメージとは相反する、化学研究から生まれた高機能素材「光電子Ⓡ繊維」とは?

出会うべくして出会ったこの2社の協業によって生み出されたアイテムには、予想以上の秘密と可能性がたっぷりずっしり詰まっていました。
 
これを読めば、あなたもきっと光電子Ⓡへの興味を抑えられなくなるはず。そして必ずその魅力に袖を通してみたくなることでしょう。

さあ、大人の社会科見学のスタートです。

左から、福谷さん(株式会社ファーベスト)、大島さん(株式会社ファーベスト)、福留さん(Good On 生産管理)

世界10か国で「国際特許」を取得

Q 株式会社ファーベストについて教えてください。

1989年に創業した機能素材メーカーです。「光電子Ⓡ」という機能繊維を中心に製造販売を行っています。
光電子セラミックスの配合技術で特許を持ち、「素材で世界を変える」をモットーに、人々の美と健康に役立つ製品づくりを行い、環境に配慮した素材の開発にも注力しています。

会社名の由来は、遠赤外線でNo.1の会社を目指そうということで、Far-Infrared Raysの頭文字と「最高=Best」を掛け合わせた造語で「FIRBEST」になっています。

創業当初は、遠赤外線が食品の鮮度保持に効果があるということから、肉や魚に巻くシートや、生鮮食品用フレッシュパックの製造販売をしていました。
その流れから、これは人の身体にも効果があるのではと研究を重ねていき、人体に効果的な遠赤外線放射材料(セラミックス)の配合を導き出した、という歴史があります。

そして今では光電子Ⓡは国内特許だけでなく世界10か国で国際特許を取得しています。

それにより、大手スポーツアパレルのメーカーさんを中心に秋冬のダウンジャケットのインサレーションに採用頂いたり、女性の美容アイテム、例えば腹巻や着圧ソックス、寝装寝具などのあらゆる分野で「光電子®」製品を活用、展開いただくようになりました。

今でも食品シートに関しては、ミシュランの星が付いたレストランさん、有名なお寿司屋さんなどでも変わらずご愛用いただいております。

タバコの煙より小さな0.3ミクロンの粒子

Q 「光電子®/コウデンシ」について教えてください。

簡単にご説明すると「自身の体温から出ている遠赤外線で体を保温する高機能繊維」のことを指します。
その構造としては、高純度微粒子セラミックスを独自の技術により均一に繊維の中に練り込む事で大きな表面積を持たせて、遠赤外線の吸収・輻射作用を高めて効率的に熱を伝える、といったものになります。

なぜ「セラミックス」なのかを先にお伝えすると、基本成分が金属酸化物の高温熱処理によって焼き固めた焼結体であるセラミックスは、特徴として熱を加えると遠赤外線を出しやすいというものがあります。
ですので、巷で販売されている遠赤外線商品にはなんらかのセラミックスが入っているといっても良いでしょうね。

遠赤外線というのは、紫外線などと一緒で電磁波の一種です。地球上のあらゆる物質から出ています。
目に見える可視光線というものの少し離れたところにあるものが、遠赤外線になります。

弊社の光電子セラミックスの粒子は、0.3ミクロンという非常に細かいサイズということが大きな特徴です。
大きさを分かりやすく比較すると、タバコの煙の粒子よりも小さい、というと伝わりますでしょうか。
タバコの煙も細かな粒子が集まって煙として見えるのですが、こちらはだいたい0.5ミクロンなので、光電子Ⓡの粒子がいかに小さいかが分かると思います。

そのくらい小さい粒子にしているため、合成繊維に練りこみやすく、小さくすればするだけ沢山練りこめるため表面積が大きくなり、遠赤外線の効果が出やすくなる、という仕組みになります。

徹底的に粒子を小さくしたこと、そしてセラミックスに特殊な「希土類」というものを入れることによって、低いエネルギーでも効率よく遠赤外線が出るようなものを開発したことで特許取得となったわけです。
それが平成5~6年ごろでした。
一番最初は、商社さんと一緒に布団綿として販売し始めましたね。

弊社では、光電子Ⓡの機能を付けた“綿(ワタ)”の形で販売をしており、中綿や糸、羽毛とのブレンドなど、多様な状態での販売が可能です。

これまでどちらかというとアウトドア製品に使われることが多く、合繊が中心だったのですが、最近では科学的根拠に基づいたデータによって、リカバリーやリラックス、疲労回復という効果が得られることも証明されたので、ホームウエアの分野でも急激に開発が進んできています。

秋冬だけの機能と思われがちでしたが、1年を通して体を冷やさない、といった側面からも再度注目されています。

Good Onとの取り組みが始まったのは、まさにそんなタイミングでした。

〈光電子Ⓡ繊維によって温かくなる仕組み〉

自身の体温が生み出す自然で快適な温かさ

Q 光電子Ⓡ素材を採用したGood On製品のオススメポイントを教えてください。

Good Onの商品には中綿(平らな板綿)を使って頂いているのですが、光電子の中綿は洗うことが出来るので、最大のポイントはここになるかなと思います。

防寒アイテムを作ろうとした際に、ダウンを使用すると水を通すことが出来ないですが、デイリーウェアとしてユーザーさんに長年愛用してもらうことを前提としているGood Onの商品にとっては洗えるということが重要だと考えます。
また、光電子Ⓡ繊維は中綿に高純度の微粒子セラミックスを練り込んでいるので、染色や後加工、洗濯などにより効果が低下することはなく、半永久的に効果が持続することになります。

あと、光電子Ⓡは、商品に入っている中綿が自身の体温から出る遠赤外線を再び肌に戻すことでしっかり体を保温するということに繋がるのが特徴で、自分自身の体温から生み出される “自然で快適な温かさ”というのもGood Onの商品にマッチしていますよね。

人によって体温が違うので、温かさの感じ方にも差があります。発熱繊維などと大きく異なるのは、水分などを使って発熱させているわけではないので、過度な温度上昇で逆に汗冷えを招いたりすることはなく自然で快適な保温状態をキープできます。

実は、こういった特徴をGood Onの社長さんがとても気に入ってくださったことが今回の取り組みのきっかけにもなっています。
ご自身がプライベートで弊社の光電子Ⓡを使用したアウターを愛用してくださっているうちに、それまで着ていたダウンとは全く異なり、とにかく快適な暖かさが病みつきになるという驚きの「体感」をしていただけたようで、そこからアポイントをいただき、協力しながら試行錯誤を繰り返して現在の商品が出来たという経緯があります。
一番はじめにお会いした際に、ダウンと違って嫌な温かさや暑さというものが無くて素晴らしいとおっしゃっていただけて、嬉しかったですね。

私達としても、多くの方に光電子Ⓡの良さを知っていただき、気に入っていただければ長く使っていただきたいという想いがありますので、一緒にモノづくりに取り組むならば、信頼の置ける企業様と長くお付き合いし協力し合っていきたい、と考えています。

はじめにGood Onの社長さんと福留さんからお話をいただいた際には、ブランドについて詳しくお聞きして色々と知っていくうちに、これはぜひ一緒にやらせてもらおうと思いました。

弊社の光電子Ⓡが、他の同様のものと比較して何が違うかと言えば、やはりセラミックスを吟味し配合特許を取得した機能で、人の体温レベルである35~6度程度の少ない熱量でも効果を得られることにあります。

遠赤外線の輻射によって得られた温度を保つことにより、人間本来のパフォーマンスを最大限発揮することにも繋がり、延いてはリカバリーやリラックスに繋がるわけです。

また、今回使っていただいている光電子Ⓡの中綿は、世界中でスタンダードとなりつつある「環境配慮」の点からも優れていると言えます。原料にリサイクルのポリエステルファイバーを90%以上使っていて、非常にソフトで機能性もありながら、光電子Ⓡの効果も低下することなく長年使い続けることができる。

この業界では既に「サスティナブル」は、特別なキーワードではなく“当たり前”の状態になりつつあるので、弊社としても非常に強く意識している部分ではあります。この部分でも、25年もサスティナブルなモノづくりを続けてきていらっしゃるGood Onと目線が同じだったのかなと感じています。

ちなみに、今回「POKA POKA TEE JACKET」「POKA POKA TEE VEST」で使用している中綿は、弊社で一番厚い100ミリの中綿を使っているのですが、デザインとしてのボリューム感を出すために二重使いをしているんですよ。
基本的に光電子Ⓡの遠赤外線効果は、セラミックスが身体を包む表面積に比例してその体感が変わってくるので、中綿の厚さが2倍になっても効果が2倍になるわけではないんです。

これはかなり贅沢な仕様だと思います(笑)。

「POKA POKA TEE JACKET」の実際の着用効果については、サーモグラフィー実験を行っていますので、こちらも参考にしていただければと思います。

■ サーモグラフィ実験手順
恒温恒湿環境にて一定時間安静状態を保ち、体温が安定したことを確認する。
製品着用前の平均体温(背部)をサーモグラフィにて記録し、対象製品を座位での安静状態で20分間着用する。
20分後、対象製品を脱衣し、脱衣直後の平均体温(背部)をサーモグラフィにて記録する。

<サーモテスト①>

着用前

着用20分後

※実験結果※
着用アイテム POKA POKA TEE JACKET
着用前後で+1.0℃という結果から、光電子®繊維の遠赤外線効果による保温特性が明らかになった。

<サーモテスト②>

着用前

着用20分後

※実験結果※
着用アイテム POKA POKA TEE JACKET
着用前後で+2.3℃という結果から、光電子®繊維の遠赤外線効果による保温特性が明らかになった。

Good Onオリジナルの光電子®生地を開発中

Q 光電子®×Good Onの今後の展望を教えてください。

これまでは光電子Ⓡ中綿を使用したアウター商品を展開してきましたが、これとは別に、現在、来秋に向けて、光電子Ⓡを練り込んだ糸を用いた生地の開発と製品化を進めています。

Good Onが得意とする染色にも対応しつつ、USAコットンの風合いを生かしながら弊社の目指す遠赤外線効果の基準もクリアするバランスを試行錯誤しています。光電子Ⓡならではの心地良い温かさをしっかり実感していただけるような、今までにないスウェット生地が出来上がると思いますよ。

また、今後は光電子Ⓡの特長や様々な効果を、さらに幅広い用途で活用していけるよう、企画と試作を続けています。秋冬商品だけに限らず、Good Onの様々なアイテムに遠赤外線効果を落とし込んでいただけるのではないかと思っています。

Good Onの長い歴史の中でも、糸や生地などの素材から開発するケースは殆どないと聞いていますので、私達としても楽しみですし、ユーザーの方々にもご期待いただければと思います。

光電子Ⓡについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ株式会社ファーベストさんのホームページもご覧ください!

Good On×光電子® アイテム -2021 F/W-

Photo:Kanjiro Aoki
Text:Suemichi Tarodachi(elevenista)
Produced:Yosuke Niwa(Good On)
Production:KARHTU

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