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2021年9月10日

Good On People Vol.4 澁谷 文伸(EEL Products)

  • Special Feature / 特集
  • Good On People / グッドオンピープル

ブランド誕生から24年。

長い歴史の中でGood Onと深く関わるキーパーソンたちはどのように人生を“経年変化”させてきたのか。 その人物とGood Onとの繋がりを読み解く連載企画Good On People。

第4回目は近年Good Onとのコラボレーションアイテムが大人気のドメスティックブランド、<EEL Products/イール プロダクツ>の澁谷さんにインタビューさせて頂きました。

Good Onとの出会いや、ブランドのアイデンティティーに共感してコラボレーションに至るまでのお話、「ありそうでなかったものを作る」をコンセプトにしたブランドの遍歴など色々とお話を伺いました。

#04_澁谷 文伸
EEL Products 企画営業
IG/@eel_products

Q.EEL Productsと澁谷さんのご自身の経歴について教えてください。


ブランドは2003年FWに高円寺でスタートし、今年で19年目になります。

「世の中にありそうでなかった服を作る」をコンセプトにしており、見た目だけでなく、製品の縫製であったり生地であったりと、ある意味人間の内側のように細部にも気を使っています。


僕は、大学在学中から大手セレクトショップのクロージング部門で販売をしていました。そして、友人であったEEL Productsds代表の高橋がブランドを2003年に立ち上げ、休日に彼の展示会を手伝う機会があり、今までの本社から送られてきたモノをただ販売するだけとは違う、自ら考え作ったモノを熱を持って伝える展示会場の高揚感は今でも覚えています。そして2006年に正式に入社しました。

これまでは、ずっと営業をメインでやっていたのですが、最近は営業だけではなくブランドの中枢的な部分に入って商品企画なども担当しています。

Q.Good Onの印象を教えてください。


僕の中ではCAMBERやHanesのように、身近にあるTシャツのブランドの一つという認識でしたね。正直、ずっとアメリカのブランドだと思っていたくらいです。

ナショナルブランドくらいのイメージもあり、カットソー専門で良質。ブランドを認識していた時にはすでにGood OnはGoood Onでしたから(笑)、そのくらい定番ブランドの印象でした。

当時自分で持っていたのもTシャツで、恐らくピグメント染めではないものだったように記憶してます。とにかくへこたれない、強い生地感というイメージですかね。

あとは、一緒に物づくりをするようになって改めて感じたんですが、毎回カラーバリエーションを変え続けているのは本当にすごい。

今年どの色で作ろうかな、と思っているなか、提案してもらう色を含め使いたい色が必ず出てくる。
ベーシックな色味とチャレンジカラーのようなバランスでついつい毎回、オーダーしてしまいますから。

Q.普段ご自身がTシャツを選ぶ際のポイントなどを教えてください。

 

やっぱり、その時代その時代によりますよね。当時セレクトショップでクロージングを担当しているときなどは、SUNSPELのような生地感が薄い上品なものが好きだったこともありますし、今だったらデイリーに洗えるものだったり、正直Tシャツ着なかった時期すらありますからね(笑)。

だんだん年齢を重ねると、体型のこともありますし、自社の製品含めがっしりした生地のTシャツを好んで選ぶようになってきました。
少し生地感の薄いものは肌着のように見えてしまうこともあり、あまり着なくなりましたね。

こういうご時世なので、「洗える」ということは自分たちが物を作るうえで最も気にする部分と言っても過言じゃないかもしれません。
正直今までは家では洗えない、ドライクリーニング推奨のものでも気にせず着用してました。
ただ、今はもうそうはいかないわけで、毎日洗うことが当たり前になり、繰り返し洗濯しても形が崩れない丈夫なものが求められるようになってきました。

そういうものこそ、毎日着れるし、使い勝手が良いと判断されるような時代の流れになってきていますね。
近年ファッションのトレンドも、柔らかい上品な生地から、少しガッシリしたものに変わってますよね。シャツは逆に柔らかいブロードとかが人気あったりしますし。

Good OnのTシャツはそんな時代の流れともリンクしたのかもしれません。本当にちょうどいいんですよね、この生地感(5.5オンスジャージー)が。

Q.Good Onとのコラボの経緯とアイテムについて教えてください。


2018年春夏のEELが15周年を迎えた年に、初めてコラボレーションをさせて頂きました。
やはり、餅は餅屋、カットソーを得意としているブランドと一緒に物づくりができたらいいだろうなと思っていた時に、たまたまご縁を頂いたので嬉しかったですね。

このGood Onとのコラボは、元々EELのアーカイブで存在した商品をGood Onの生産背景で作っていただき、よりスペシャルなアイテムに蘇らせるというコンセプトを設けています。

色々なアイテムで検討しましたが、最終的にはGood Onのピグメント染めだったりオリジナリティーがある色目を生かすために相性のいいもの、という意味でのラインナップになっています。
通常の色味であればある程度自社でも生産出来たり表現出来たりするのですが、やはりGood Onのピグメント染めや色味に関しては決して真似できないところがあります。
生地の縫製も含めて、うちにはないものを持っていらっしゃるので、そこの部分にこのコラボレーション企画の本当の意味があると思ってやっています。

今年の春夏は過去にも実績のあるユーティリTeeとビフポケTeeでコラボさせていただきました。
これはどちらかというと、ビフポケTの方が人気ありますね。
カットソー生地と布帛の生地の染めた後のコントラストの雰囲気や違いがとても好評です。

また秋冬でもコラボアイテムを発売予定です(9月くらいを予定)。
スウェットのカーディガンとモックネックを製作しています。
カーディガンは初めてのアイテムです。
イメージ的には、ヴィンテージのカレッジカーディガンのような雰囲気のアイテムが作りたかったので、最大限Good Onのピグメント染めの良さを生かしたものに仕上がっているかと思います。すごくカッコいいですよ。

最近ジャケットを着る機会は本当に減少していると思うので、羽織物としてカーディガン、それも洗えるもの、綿もの、となるとやはりGood Onと一緒に作りたいなと思ったんです。
よりクオリティーの高いものが出来て、ヴィンテージ感もうまく表現してもらえてると思います。是非お楽しみに。

※EEL Productsとのコラボアイテムに関しては、Good On Official Online Store、Good On -flagship shop-でのお取り扱いはございません。EEL Nakameguroへお問い合わせください。

Q.最後に、20年近くブランドを続けてきて今改めて感じることを教えてください。


常に心がけていることは、「迷った時にはかっこいいものを作ろう」という事ですかね。

売れるからこれを作ろう、とか世間に迎合して物づくりをするのではなく、自分たちが良いと思ったものを生み出してきたことにより、今のように地方の個店さんとの繋がりが強くなったり、ブランドの方向性が自然と明確になってきた感覚があります。

また、Good Onとのコラボレーション企画が2018年のスタートから何シーズンも続いているのは、Good Onの営業の広沢さんの存在がとても大きいんですよね。

というのも、以前お話しされていてとても印象的な言葉があったんです。
「自分たちは特別な時の、特別な洋服を作る気はないんです。普通の人が普通の日に着る、普通の洋服を作り続けているんです。」

この言葉を広沢さんがサラッとお話しされて、それをサラっと20年以上継続し続けていらっしゃること、普通なことを20年以上続けているってとんでもないことだなと感じました。

EELはコレクションラインなどもあるので、少なからずファッション的要素や新しい要素を意識しなければいけない中、広沢さんの言葉はそこと真逆の発想だったのでとても新鮮かつ気づきがありましたね。

そのわりに、ご本人は新しいものが好きだったり、バイタリティやアクティビティが半端じゃないところは面白いですけど(笑)。

だからこそ、むしろデイリーなもの、定番のものを生み出せるのかなと思ったりもします。

年齢も近く、ブランドとしても同じ時代を過ごしてきているので、共感できる部分だったり見てきたものが同じだったりといった安心感があるのはもちろん、一緒にお仕事をさせて頂いて楽しい気持ちで物づくりができるのは、やはり広沢さんの人柄によるところが非常に大きいと感じています。

そういう感覚的な部分の近い方々が周りにいたり、同じ方向を向いて歩いて行ける環境があるというのも、ブランドの継続には大切な要素なのかもしれませんね。

EEL Nakameguro

東京都目黒区東山1-8-6 2F
Tel. 03-6303-0284

HP/http://eel-co.jp/
IG/@eel_products



Photo:Iori Matsudaira
Text:Suemichi Tarodachi(elevenista)
Produced:Yosuke Niwa(Good On)
Production:KARHTU

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